日々、インフルエンザに罹られた患者さんの来局が増えています。
患者さん自身、またそのご家族にとっても毎日報道される新型インフルエンザの情報にとても不安を感じておられることと思います。
今回、インフルエンザについて少しお話したいと思います。
インフルエンザは、上気道を主とした急性感染症で風邪に比べ急激に発症するのが特徴です。
■
主な病原
インフルエンザウイルスA型・B型
■
感染経路
主に飛沫感染
■
症状
突然の38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、などの全身症状とやや遅れて出現する
咽頭痛、鼻汁、咳などの呼吸器症状
■
合併症
気管支炎、肺炎、脳症など
■
治療薬
抗インフルエンザ薬、解熱鎮痛薬、鎮咳薬、去痰薬、抗ヒスタミン薬など
インフルエンザに罹らないためにも毎日の生活習慣を見直すことが大切です。予防法として・・・
(1)インフルエンザワクチンの接種
絶対に罹らないとは言えませんが、合併症などの重症化を防ぎます。接種してから
効果がでるまで2週間ぐらいかかります。
(2)安静
十分に休養をとり、体力や免疫力を高める。
(3)栄養と水分補給
温かいもの、消化のよいもの、水分、ビタミンCを十分にとること。
日ごろからバランス良く栄養をとることが大切です。
(4)適度な室温・湿度
空気が乾燥すると、インフルエンザに罹りやすくなります。室内では加湿器などを
使って適度な湿度を保ちましょう。濡れタオルを掛けておくのも効果的。
(5)マスクの着用
吸気に湿気を与え、気道を温めるのに効果あり。また、くしゃみや咳によって
他人にうつさないためにも『エチケットマスク』
(6)手洗い・うがい
喉や手に付いたウイルスを除去します。喉の乾燥も防ぎます。
とはいえ、おかしいなと思ったら早めに病院で診てもらいましょう。インフルエンザ発症から48時間以内であれば、抗インフルエンザ薬が有効です。
現在、インフルエンザの治療に使われている抗インフルエンザ薬は、インフルエンザウイルスの増殖を抑える薬です。いったん体の中に入ったインフルエンザウイルスは猛烈な勢いで増え続けて、症状が出てから2〜3日後(48〜72時間後)に最も数が多くなります。ですから、ウイルスの量が最大になる前、つまり症状が出てから48時間以内に抗インフルエンザ薬を使って増殖を抑えれば、病気の期間を短くし、症状の悪化を防ぐことができる可能性が高くなるというわけです。ウイルスの数が少ないほど効果が大きくなりますから、早めの治療ほど効果的です。
私たち薬剤師は患者さんへの確実な服用と吸入手技のための指導や、副作用に関する説明などに取り組みたいと思います。