お薬手帳の電子化を考える

最近はどこの薬局でも話はお薬手帳のことで持ち切りなんじゃないでしょうか。
今度の診療報酬改定で、お薬手帳を持って来てもらわないと点数あげませんよ、なんて決まってしまったものですからね。
そもそもお薬手帳の普及率ってどのくらいなんでしょうか。
この改定が単なる医療費削減のためだけではなくて、本当にお薬手帳の普及を推進したいと思っているなら、薬局に任せるだけではなくて、もっと国もしくは自治体レベルでシステム自体を改革すべきなのではないのかなと思います。
国としては、「どこでもMY病院構想」なるものが提唱されておるようですが。


薬剤師としてはお薬手帳をきちんと持って来てくれる人はほんとうにありがたいと思いますし、
併用薬の確認などが行えるというのはやはり安全に薬を飲んでいただくためには絶対必要なことだと思います。
ただ、それ以外にお薬手帳があってよかった、本当に大事だと思えるときって、どういうときがあるでしょうか。
たとえば災害時などですよね。
あと1週間であの大地震から1年が経ちますが、あのとき自分の飲んでたくすりが何なのか分からなくて困った人が大勢いることかと思います。
ただ、お薬手帳を持っていたとしても、流されたり燃えたりしたら意味がない。
なので、今後お薬手帳は紙媒体ではなくて、ネットに保存するシステムに変えていく必要があるのではないかと思います。

実は現在、電子お薬手帳の使用はいくつかの大手薬局などを中心に実験的に開始されています。
電子処方箋よりも電子お薬手帳の普及の方が早いかもしれませんね。

ただ、現時点で色々問題はあるように思います。
まず何よりも第一にお薬手帳というのは普遍的でないといけない、ということ。
つまり、どこの医療機関、薬局に持っていても簡単に見れる状況にないといけないわけです。
そして、現在お薬手帳の管理は患者さん自身に任されているということ。
薬局側から患者さんに渡された情報を患者さん自身がケータイなどで読み取って保存しなければならないシステムが主であるということです。
これって、今までお薬手帳を持って来てくれなかった方や、シールをあげても貼らない人は、めんどくさくてやらない作業だと思うのです。
そして確認する側にとっても、患者さんにいちいちケータイなどを借りて小さい画面を確認したり、毎回端末から何かの操作を行ってもらうというのは結構手間のかかる作業のはずです。
そもそも、ハードとしてケータイが必須というのも現状ではハードルが高いような気もします。


要は、お薬手帳という名前の各個人のデータベースをネット上に作って、患者さんからも、どの医療機関からも手元のPCからすぐにアクセス出来る状況にあり、薬の内容は投薬時に薬局側から毎回データベースにアプロードしていく、という形が理想なのではないでしょうか。
(もちろんセキュリティの問題云々がネックになってくるかと思いますが。
この場合、サーバは国や自治体が管理すべきものになるのかもしれません。)
(また同時に病院や患者さんからは検査値や家庭で測定した血圧・血糖値などもアップロードしていくようなシステムもあってもいいかもしれません。)
とすると、QRコードを読み取るのではなくて、一人一人が手帳の代わりにICカードを持って、
そこからサーバにアクセスできるようにするという流れは合理的に思えます。


ただ、サービスを開始している方々にとってみれば、そんな話は分かりきったことでしょう。
やはり問題は「普遍的」でなければならないということ、
一部の施設のみでそれを行っていたとしてもそれほどの利用価値にはならないということです。
現在、色々なところで実験的な試みや取り組みが始められているようですが、
システムがそれぞれ独自のものであり、統合されていないようです。
単にケータイ=お薬手帳、とするのであるなら、これでもいいのかもしれませんが、
ネット上のデータベースそのものをお薬手帳として活用するのなら、少なくとも全国でシステムは一つに統合されるべきかと思いますし、そのためにはやはり薬局レベルではなくて、もっと大きな力の介入が必要でしょう。


誰もが皆、似たようなことを考えていると思います。
時代の変化に伴って、医療現場の状況もどんどんと変化していくはずです。
近い将来、こういったことが一つずつ実現される日がくるかもしれないですね。


calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM